○芦北町文化財保護条例

平成17年1月1日

条例第87号

目次

第1章 総則(第1条~第3条)

第2章 文化財の指定及び解除(第4条・第5条)

第3章 管理、保存等(第6条~第16条)

第4章 町選定保存技術(第17条~第21条)

第5章 雑則(第22条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項に基づき、同法及び熊本県文化財保護条例(昭和51年熊本県条例第48号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、町の区域内に存するもののうち町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、我が国の文化の進歩に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 芦北町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 文化財の指定及び解除

(指定)

第4条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財(法第27条第1項の規定による重要文化財、法第71条第1項の規定による重要無形文化財、法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財及び重要無形民俗文化財、法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物(以下「国が指定する重要文化財」という。)又は県条例第4条第1項の規定による熊本県指定重要文化財、同条例第20条第1項の規定による熊本県指定重要無形文化財、同条例第27条第1項の規定による熊本県指定重要民俗文化財及び熊本県指定重要無形民俗文化財(以下「県指定重要文化財」という。)に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち町にとって重要なものを芦北町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は保持者又は保持団体(文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。)(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。

3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、別に定める芦北町文化財保護審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者等(保持団体にあっては、その代表者。以下同じ。)に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該町指定文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 町指定文化財が町指定文化財としての価値を失った場合、その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除については、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 町指定文化財について、国が指定する重要文化財又は県指定重要文化財の指定があったときは、当該町指定文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の規定による指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者等に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第4項の規定による町指定文化財の指定の解除の通知を受けたとき及び前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、町指定文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

第3章 管理、保存等

(所有者等の管理義務及び管理責任者)

第6条 町指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該町指定文化財を管理しなければならない。

2 町指定文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該指定文化財の管理に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者等は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者等の変更等)

第7条 町指定文化財の所有者等に変更があったときは、新たに所有者等となった者(以下「新所有者等」という。)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 町指定文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第8条 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第9条 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には届出を要せず、又は所在の場所を変更した後、届け出ることをもって足りる。

(管理、保存又は修理に要する費用の補助)

第10条 町指定文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特殊の事情がある場合又は保存に要する経費について、町は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理、保存又は修理に関し必要な事項を指示するとともに必要があると認めるときは、当該管理、保存又は修理について指導監督することができる。

(管理、保存又は修理に関する勧告)

第11条 町指定文化財の管理、保存が適当でないため、当該指定文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者等又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 町指定文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者等に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

(現状変更等の制限)

第12条 町指定文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、所有者等は、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(修理の届出等)

第13条 町指定文化財を修理しようとするときは、所有者等は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第10条第1項の規定による補助金の交付又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 町指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導及び助言をすることができる。

(公開)

第14条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等に対し、期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該町指定文化財を出品し、又は公開することを勧告することができる。

2 前項に規定する場合のほか、教育委員会が必要があると認めたときは、町指定文化財の所有者等に対し、当該町指定文化財の公開を勧告することができる。

(報告)

第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該町指定文化財の現状又は管理保存若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者等変更に伴う権利義務の承継)

第16条 町指定文化財の所有者等に変更があったときは、新所有者等は、当該町指定文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による変更する前の所有者等(以下「旧所有者等」という。)の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者等は、当該町指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者等に引き渡さなければならない。

第4章 町選定保存技術

(選定等)

第17条 教育委員会は、町の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第41条第1項の規定による熊本県選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち、町として保存の措置を講ずる必要があるものを芦北町選定保存技術(以下「町選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たっては、町選定保存技術の保持者又は保存団体(町選定保存技術を保存することを主たる団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)の同意を得て、保持者又は保存団体を認定しなければならない。

3 一の町選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第1項の規定による選定及び第2項の規定による認定は、第4条第3項から第6項までの規定を準用する。この場合において、第4条第4項中「所有者等(保持団体にあっては、その代表者)」とあるのは「保持者又は保存団体の代表者若しくは管理人」と読み替えるものとする。

(解除)

第18条 教育委員会は、町選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合、その他特殊な理由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体として適当でなくなったと認められる場合、その他特殊な理由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 前2項の規定による選定の解除及び認定の解除には、第5条第2項の規定を準用する。

4 町選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第41条第1項の規定による熊本県選定保存技術の選定があったときは、当該町選定保存技術の選定は解除されたものとする。

5 前項の場合には、第5条第4項の規定を準用する。

6 前条第2項の認定が保持者のみについてなされた場合にあってはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあってはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあってはその保持者と保存団体のすべてが解散したときは、町選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合においては、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第19条 保持者及び保存団体には、第7条の規定を準用する。この場合において、同条中「所有者等」とあるのは、「保持者又は保存団体の代表者若しくは管理人」と読み替えるものとする。

(保存)

第20条 教育委員会は、町選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、町選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のために適当な措置を執ることができるものとし、町は、保持者又は保存団体その他その保存に当たることが適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 前項の規定による補助金を交付する場合には、第10条第2項の規定を準用する。

(保存に関する指導又は助言)

第21条 教育委員会は、町選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることが適当と認める者に対し、その保存のために必要な指導又は助言をすることができる。

第5章 雑則

(委任)

第22条 この条例の施行に関し、必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年1月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の芦北町文化財保護条例(昭和52年芦北町条例第10号)又は田浦町文化財保護条例(昭和50年田浦町条例第20号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成17年3月14日条例第181号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

芦北町文化財保護条例

平成17年1月1日 条例第87号

(平成17年3月14日施行)

体系情報
第7編 育/第5章 文化財
沿革情報
平成17年1月1日 条例第87号
平成17年3月14日 条例第181号