父母の離婚後の子の養育に関するルールが変わります
更新日:2026年01月26日
令和6年(2024年)5月17日に、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、民法等の一部を改正する法律が成立し、令和8年(2026年)4月1日に施行されます。
また、改正法による新しいルールやひとり親家庭への支援施策を紹介する「ひとり親家庭のためのポータルサイト」がこども家庭庁より開設されています。
今回の民法改正では、こどもを養育する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権・共同親権)、養育費、親子交流などに関するルールが見直されています。
ポイントは以下の通りです。
1.親の責務に関するルールの明確化
■こどもの人格の尊重
親は、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。
■こどもの扶養
親は、こどもが親と同程度の水準の生活ができるように、扶養する責務を負います。
■父母間の人格尊重・協力義務
親は、こどもの利益のために、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。
■こどもの利益のための親権行使
親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。
なお、次のような行為はこれらの義務に違反する場合があります。
- 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷等。
- 別居している親が、同居している親による日常的な監護・養育に、不当に干渉すること 。
- 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居(引っ越し)させること。
- 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、 特段の理由なく、その実施を拒むこと。
2.親権に関するルールの見直し
■ 親権者の定め方
■ 親権の行使について
- 監護(こどもの世話)や教育に関する日常的なこと(例:食事や服装の決定、習い事など)
- こどもの利益のため急迫の事情があるとき(例:DVや虐待からの避難、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合など)
3.養育費の支払確保に向けた見直し
今回の改正により、こどもの健やかな成長を支える養育費を確実に受け取ることができるように、新たな制度の創設やルールの見直しが行われます。
- 合意の実効性の向上
これまでは、養育費の支払いを怠ったときに相手方の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停証書、審判書などの「債務名義」が必要でした。
今回の法改正により、養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、「債務名義」がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成された文書に基づいて、差押えの手続きを申し立てることができるようになります。
- 「法定養育費」制度の創設
これまでは、父母の協議や家庭裁判所の手続により養育費の額を取決めなければ、養育費を請求することができませんでした。
今回の法改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、一定額の「法定養育費」を請求することができるようになります。
(注)法定養育費は、あくまでも暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続により、適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。
- 裁判手続きの利便性向上
養育費は各自の収入を基礎として金額を決定することとなります。今回の改正では、その手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が当事者に収入情報の開示を命じることができます。
また、養育費を請求するための民事執行の手続きにおいて、地方裁判所に対する1回の申し立てで、財産開示手続、情報提供命令、債券差押命令という一連の手続きを申請できるようになります。
4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
新しい民法では、親子交流が安全・安心にできるためのルールが見直されました。
- 婚姻中別居の場合の親子交流
これまで、結婚したまま別居している場合の親子交流に関するルールが不明確でした。
今回の改正により、結婚したまま別居している場合の親子交流については、こどもの利益を最優先に考慮して、父母の協議により定めます。協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定めます。
- DV・虐待に配慮した親子交流の「試行的実施」
親子交流を始める際、特に過去にDVや虐待があった場合などは、安全性を確認しながら交流を始めるための仕組みが整えられました。
- 祖父母など(父母以外の親族)との交流
参考
詳しくは、下記のリンクをご確認ください。
父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(法務省)(外部リンク)
